刑期を定めないということは
絶対的不的刑というのは、刑期を全く定めない自由刑です。この絶対的不定期刑と比べて、最短で何年、最長で何年と刑期に幅を持たせる場合を相対的不定期刑といいます。そして、キチンと刑期を定めた場合は、定期刑となるわけです。具体的には、「被告人を懲役に処する」という場合は、懲役刑という処分がされることしかわからず、その刑期が全く分からないので、絶対的不定期刑となります。そして「被告人を3年以上5年以下の懲役に処する」という場合は、刑期の長い時と短い時が分かっていますので、相対的不定期刑となり、「被告人を5年の懲役に処する」という場合は、明確に5年の契機となっていますので定期刑となるわけです。
犯罪者の改善行使を重視するのであれば、改善更生ができれば不必要に長く服役させずに早く釈放し、改善更生がなされなければ、改正するまで刑事施設に収容しておくことが大切です。定期刑では、そういった収用されている人の状態に合わせた対応ができませんので不定期刑によって刑期の緩やかな処罰を行うことで、このような問題になるべく対応していこうとしているのです。しかし絶対的不定期刑では、刑期の制約が一切ありませんので、刑事施設によって受刑者が改善更生できていると判断された時だけが釈放の時期となります。
絶対的不定期刑が禁止されているのは、何が犯罪であるのかという「罪」を定めていても、それに科される罰則を具体的に定めていませんので「刑」が不明確な状態です。また服役期間についても明日釈放されるかもしれませんし、もしかしたら死ぬまでいなければならないかもしれず、その期間が全く予想できない状態になってしまいます。すると、「罪」と「刑」を定め、刑罰を予測可能にすることを求めている罪刑法定主義に反すると考えられるため、この絶対的不定期刑が禁止されているのです。
一方で、相対的不定期刑が禁止されていないのは、刑期に幅があるものの、釈放されるまでの期間が短い場合と長い場合の両方で予測することが可能だからです。ただし、その刑期の幅が、長い時と短い時であまりにも大きくかけ離れている場合、極端に言いますと1ヵ月以上100年以下といった場合は、実質的に絶対的不定期刑を科しているものと変わらないとされ、罪刑法定主義に違反していると考えられます。